2017年6月5日月曜日

大滝山残雪ハイク


朝のひかり、新緑を仰ぎながら、林道を歩く。わたしは小倉ゲートから冷沢口を目指していた。





春から夏へ移ろう時期のツキノワグマは、ブナの芽や山菜を好んで食べる。これは昨日ぐらいのうんこ。わたしは鍋冠大滝山域にて、過去二回ツキノワグマと遭遇している。この日は糞を数個、熊の寝床をひとつ、さらに複数の笹を踏み荒らした痕跡を観察できた。かなりの数の個体がこの山に居る。





これは林道にあった別の個体の糞。ついさきほどひり出されたものだろう。まだ湯気を立てている。タケノコあるいはササの芽を齧っているのだろう、繊維だらけだ。そして落とし主はまだ近くに居る。





熊の気配濃厚なトレイルを拾う。

















やがて残雪の上を歩く。わたしはサレワの12本爪クロモリアイゼンを履き、ざくざくと小気味よく雪の上を進んだ。





稜線に突き上げる尾根の傾斜がきつくなる。黙々と足を出す。風は冷たく、流れる汗がすぐに冷えた。




稜線近く、針葉樹の巨樹は姿を消し、ダケカンバが目立って来る。陽光が差し込む分、雪は消え草付きが出ている。





来し方、八丁タルミと鍋冠山方向にガスが巻いている。ここから稜線に出る急斜面に雪が残り、少々手こずった。





長塀尾根と蝶ヶ岳の彼方に聳える槍穂高の峰々が出迎えてくれた。





山荘の小屋開けまでまだひと月ある。





大滝山稜線上は船窪。夏には池の周りにお花畑が広がり、バイケイソウが群落を成す。





きょう山に来れた、ということは、ひとつの小さな奇跡だ。わたしはこころから、山の神さまにお礼を申し上げた。





むしゃむしゃむしゃ。

















また書き足すが、駐車場でニホンジカを見た。北アルプスに入り込んでいる、という事実を目の当たりにして、少し動揺してしまったことは否めない。






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