2017年6月12日月曜日

はじまり告げる梅仕事


小梅はあまりやらないのだが、手頃なものが売り場にあったのでひと袋だけ求めてみた。あえて青いやつを、固いまま仕込んでみる。塩漬けというより梅酢漬けに近いか。





長野県内産小梅1kg、ここへ「あらじお」150g。ちょうどおあつらえ向きの容器が転がっていたのでこれへ放り込み、シェイクする。小梅の表面を塩をまぶしてごろごろ摺り合わせるぐらいに。シェイクの後、梅酢500ccを注いでおいた。





呼び水ならぬ呼び梅酢のおかげか、翌朝には梅酢に浸っていた。土用の頃、干すべきか、干さぬべきか、いま迷っている。








数日後。もう南高梅が出ていた。例年、六月終わりから七月頭に掛けて仕込むのだが、今年は早いようだ。手始めに、とLサイズを4kg求めて帰る。





ジップロックのLサイズに1kgずつ、20%で仕込んでおく。まだ青いやつ1kg分は追熟させることとして放置してある。今年も、成り口のところに塩をまぶすにホワイトリカーを用いず、梅酢にした。





さらに小梅を追加する。信州飯田産の4L小梅を2kg、これは黄色く熟したものが半額だったので上手くいけば儲けもんぐらいの気持ちである。成り口のへたを取るのに手を取られた。





庭の梅の樹は、ことし20、30ぐらいの実を着けている程度で、まだ青く固い。梅酒に仕込むほどもない。

ではあちこちの売り場をのぞき、また近所の無人直売所を訪ね、良い梅を集めてまわろう。この夏もたくさんの梅たちを、梅干しに昇華させてやるのだ。日曜日の夕刻、はじまりを告げた梅仕事を一段落させて見上げた空の青さに戸惑いながら、夏の入り口に立っていることに気づかされた。

梅仕事を楽しんでいると、夏はひとかたまりの季節ではなくて、いくつもの薄いレイヤーを重ねた様な「時の層」に思えて来る。薄紙を剥がしていくように日々を重ね、梅の出回り具合と漬け込み具合を相談し、空には干す日の天気を伺い、おのれには梅仕事のできばえを問う。置き換えの効かないたのしみを見つけたものだと、ほくそ笑む。さて今年はどんな梅たちと出会えるだろう。












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